科学

カロテン(Carotene)

投稿日:2018年4月30日 更新日:

(農業)(科学)

植物や動物に含まれる色素成分にカロテノイドがあり、その中にビタミンA作用をするα(アルファ)カロテン、β(ベータ)カロテン、クリプトキサンチンがある。このうちビタミンA作用が最も強いのはβカロテンである。βカロテンには、有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用や、免疫を増強する働きもある。

分子式はC40H56。この同じ分子式で異性体がαカロテン,βカロテン,γ(ガンマ)カロテン…のようにあるが混合物になっていることが多く、総称してカロテンということもある。

かつてはカロチンともいった。

植物からつくられるが動物からはつくられない。

ニンジン(carrot)の色素でもあり、これがカロテンの語源になっている。ニンジン以外では、タンポポの花、カボチャやトマトの果実、サツマイモ、マスクメロンなど多くの果物や野菜に含まれる。枯れ葉の橙色(だいだいいろ)や、乳脂肪、バター、卵黄の黄色もカロテンによる。黄、橙色、オレンジ、赤もしくは赤紫色の色素となる。

動物では、脂肪、卵黄、羽毛、貝殻などにみられる。

βカロテンを含む緑黄色野菜の摂取は、生活習慣病などの罹病(りびょう)リスクを下げるとされる。

-科学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

塩類集積(えんるいしゅうせき)(Salt Accumulation)

(農業)(科学) 地表面に塩類が集積すること。これによって作物の収穫量が減る現象を塩害という。また塩類集積は砂漠化をもたらすことがある。 原因のひとつに干拓地や乾燥地における灌漑(かんがい)水に塩類が …

no image

発根促進剤(はっこんそくしんざい)(Root Stimulator)

(農業)(科学) 発根促進を目的として使用する植物成長調整剤のこと。インドール酪酸やα-ナフチルアセトアミドがその有効成分である。粉剤と液剤がある。

no image

原核生物と真核生物(げんかくせいぶつとしんかくせいぶつ)(Procaryote and Eucaryote)

(農業)(科学)   原核生物 真核生物 染色体 細胞内にむき出しで存在 (核がない) 角膜に包まれている (核がある) 誕生 35億年前 20億年前 大きさ 1〜10 μm 10〜100μ …

no image

ブルームレス(Bloomless)

(農業)(科学) 果実の表面に分泌される白い粉状でロウ質の物質を果粉(かふん、Bloom)という。ケイ酸が主成分である。果実を病気から守ったり、果実の水分蒸発を防いだりする役割があるとされる。この果粉 …

no image

遺伝資源(いでんしげん)(Genetic Resource, Germ-Plasm Stock, Germplasm)

(農業)(科学) 遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物その他に由来する素材であって現実の又は潜在的な価値を有するもの。 *生物多様性条約の名古屋議定書で日本国内措置として交付された、「遺伝資源 …