畜産

就巣性(しゅうそうせい)(Broodiness)

投稿日:2018年5月22日 更新日:

(農業)(畜産)

鳥類が卵を孵化(ふか)させるために巣に就こうとする性質。または鳥類が巣に卵を産み、その後に卵を抱いて温め、孵化した雛(ひな)を巣で育てる習性。つまり鳥は休眠その他の目的で巣を設けており、元々ある程度は巣にいる時間があるところ、巣の外にでかける時間を控えて巣にいる時間を長くするという意味に解される。

鳥類は、卵を産んだあと脳下垂体前葉から分泌されるプロラクチンの作用により産卵が中止され、抱卵してひなを孵化させた後、ひなを育てる。鶏(にわとり)がこの就巣中になると、育雛(いくすう)が終わるまで産卵が止まるため、卵用の改良品種の鶏では就巣性が遺伝的に除去されている。

○○という鳥は○○性を持つという文脈で使われる性質に、次のようなものもある。

離巣性(りそうせい):ひなが孵化してから早く巣離れする性質。

留巣性(りゅうそうせい):ひなが孵化してから巣内にとどまり、親から給餌や保護をされる性質。樹上などに営巣する鳥にみられる。

離巣性⇔留巣性は対義語の関係である。

 

-畜産

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

季節繁殖動物(きせつはんしょくどうぶつ)(Seasonal Breeding Animals, Seasonal Breeder)

(農業)(畜産) 繁殖行動が活発になる季節を繁殖季節といい、この繁殖季節がある動物を季節繁殖動物といい、繁殖季節がない動物を周年繁殖動物(しゅうねんはんしょくどうぶつ:Annual Breeder)と …

no image

家畜の妊娠期間(かちくのにんしんきかん)(Pregnancy Period of Livestock)

(農業)(畜産) 牛(ウシ)は約285日、豚(ブタ)は約114日。

no image

用畜(ようちく)(Livestock)

畜産物をとるための動物。畜産物とは乳・肉・卵・毛・皮革・毛皮・羽毛・子などをさす。用畜でなければ役畜(えきちく)であり、これら2つをまとめて農用動物という。 *Livestockの日本語訳が家畜であり …

no image

酪農(らくのう)(Dairy Husbandry)

(農業)(畜産) 乳牛を飼育して牛乳などを生産する農業のこと。

no image

動物療法(どうぶつりょうほう)(Animal-Assisted Therapy(AAT))

(農業)(畜産) 人の治癒のために動物が介在する療法のこと。これらに従事する動物は例えば犬、馬、イルカなどが知られる。 動物セラピー。アニマルセラピー。 2018年の新聞にファシリティドッグ(Faci …