(農業)(畜産)
鳥類が卵を孵化(ふか)させるために巣に就こうとする性質。または鳥類が巣に卵を産み、その後に卵を抱いて温め、孵化した雛(ひな)を巣で育てる習性。つまり鳥は休眠その他の目的で巣を設けており、元々ある程度は巣にいる時間があるところ、巣の外にでかける時間を控えて巣にいる時間を長くするという意味に解される。
鳥類は、卵を産んだあと脳下垂体前葉から分泌されるプロラクチンの作用により産卵が中止され、抱卵してひなを孵化させた後、ひなを育てる。鶏(にわとり)がこの就巣中になると、育雛(いくすう)が終わるまで産卵が止まるため、卵用の改良品種の鶏では就巣性が遺伝的に除去されている。
○○という鳥は○○性を持つという文脈で使われる性質に、次のようなものもある。
離巣性(りそうせい):ひなが孵化してから早く巣離れする性質。
留巣性(りゅうそうせい):ひなが孵化してから巣内にとどまり、親から給餌や保護をされる性質。樹上などに営巣する鳥にみられる。
離巣性⇔留巣性は対義語の関係である。