肥料

肥料の分類(ひりょうのぶんるい)(Classification of Fertilizer)

投稿日:2019年12月15日 更新日:

(農業)(肥料)

ここでは大きく3つに分け、さらにその3つを、①を5分類、②を4分類、③を2分類している。

①肥料の生産、組成、性質などの自然科学的分類 形態的分類 粉状肥料(造粒などを行なわず粉末状のもの)、

粒状肥料(造粒などにより粒径が1mm以上のもの)、

固形肥料(木質泥炭などと練りあげて3mm以上に成形、造粒したもの)

ペレット状肥料、

液状肥料(液体またはペースト状のもの)。

流通経路による分類(生産方法による分類) 自給肥料(農家が自家生産できる堆肥・きゅう肥などを、自家栽培作物に施用するものであって、販売しないもの。また緑肥)、

販売肥料(肥料として生産・販売されているもの)。

製造工程による分類 化学肥料、配合肥料、化成肥料。
化学的反応による分類

(肥料自体のpH)

酸性 過りん酸石灰、重過りん酸石灰。
中性 硫酸アンモニア、塩化アンモニア、硫酸加理、塩化加理、尿素。
アルカリ性 石灰窒素、熔成りん肥。
生理的反応からみた分類

(土壌に施用された肥料の成分が作物に吸収された後の、土壌(培地)のpH)

酸性 硫酸アンモニア、塩化アンモニア、硫酸加理、塩化加理、尿素。
中性 過りん酸石灰、重過りん酸石灰。
アルカリ性 石灰窒素、熔成りん肥。
②施肥時期、施肥方法、出荷時期など主に栽培に基づく施肥上からの分類 施肥時期による分類 元肥(基肥)、追肥。
効果発現時期による分類 速効性肥料、緩効性肥料、遅効性肥料
施肥方法による分類 土壌に混ぜる肥料、

葉面散布肥料(植物に直接施用する)。

農薬の有無による分類 農薬を含まない肥料、

農薬入り肥料。

③品質、規格など肥料取締法に基づく分類

(1950年5月1日法律第127号)

(肥料取締法の一部改正(平成15年7月1日施行))

普通肥料

(11種別146種類)

単肥

(窒素、リン酸、カリの成分が1種類のもの)

(1)

窒素質肥料、りん酸質肥料、加里質肥料。

複合肥料

(窒素、リン酸、カリの成分が2種類以上含まれるもの)

(2)

化成肥料

(高度化成:窒素・リン酸・カリの合計30%以上、

低度化成:同30%未満、

窒素カリ化成:窒素とカリのみ)、

(3)

配合肥料(指定配合肥料を含む)、

(4)

成形複合肥料、

(5)

液状複合肥料、

(6)

吸着複合肥料、

(7)

被覆複合肥料、

(8)

家庭園芸用複合肥料。

有機質肥料 (9)

有機質肥料。

石灰質 (10)

石灰質肥料、けい酸質肥料。

その他 (11)

苦土肥料、マンガン質肥料、ほう素質肥料、微量要素複合肥料、汚泥肥料等。

特殊肥料

(46種類)

(肥料取締法第2条第2項に基づき農林水産大臣の指定する種類)

(イ)

魚類、動物等を主原料とした肥料で粉末にしないもの

魚かす(魚荒かすを含む)、蒸製骨、肉かす、羊毛くず、粗砕石灰石など肉眼で鑑別が容易なもの10 種。
(ロ)

肥料の生産工程で、塩酸や遊離硫酸の含量 0.5%以上のものを除く動植物系の肥料。

米ぬか、アミノ酸かす、コーヒーかす、乾燥藻及びその粉末、草木灰(じんかい灰を除く)、くん炭肥料、人ぷん尿、動物の排泄物、たい肥等有害成分の含有の恐れがない36種。

※参照 : 農林水産省Webサイト(2019年12月15日)

https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/gum10.pdf#search=%27%E8%82%A5%E6%96%99%E3%81%AE%E3%81%B6%E3%82%93%E3%82%8B%E3%81%84%27

 

もしも出題で、

Q:「肥料には、肥料の三要素のうち、1種類だけを( ① )と2種類以上を含む( ② )がある。この(   )にあてはまる言葉を答えよ。」

とあれば、その答えは、

A:①単肥、②複合肥料、となる。

*野菜の分類

根菜、→葉菜、→果菜、→豆類

-肥料

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