(農業)(肥料)
かつては稲藁(わら)、麦藁、落ち葉、塵芥(じんかい)、野草などを堆積し自然に発酵させたものを堆肥や積み肥(つみごえ)といったが、家畜の糞尿(ふんにょう)なども含め、原料によらず有機資材を堆積し腐熟させたものを堆肥とよぶようになっている。
有機資材の由来によって、植物性堆肥、動物性堆肥に分けられる。
有機資材との違いは、微生物による分解の度合いであり、堆肥のほうがより分解が進んでいる。
堆肥のように有機資材中の植物残渣(ざんさ)を腐熟させるのは次の理由がある。(1)植物残渣の炭素分が土のなかで分解するとき土中の窒素分を消費して土の窒素不足となるのを防ぐ。(2)植物残渣は分解しやすい有機物を多く含むため、土のなかで急激な分解を起こし易く、作物に有害な有機物を一時的に生じさせたり、土の酸素を消費して作物の根を傷めたりすることを防ぐ。