(農業)(植物)
ウイルスに感染していない苗。
ウイルスが植物に感染すると細胞間を移り全体に広がるが、植物の芽の先端はウイルスに感染しにくい。これは成長点での細胞分裂速度がウイルスの細胞間移行速度より速いためではないかと考えられている。よって芽の先の0.2mm~0.5mm前後の生長点を無菌状態で切り出して培養すると、ウイルスに感染していないウイルスフリー植物が得られる。この方法を茎頂(けいちょう)培養法といい、他にはカルス培養法、熱治療法、乾熱消毒法などがある。
ウイルスフリー苗を使うと、生育が良く、形状が揃うなど良質の作物ができ、収量が多いなど利点が多い。
ウイルス自体を防ぐ方法はなく、イチゴ、イモ類、キク、ユリなどの栄養繁殖性植物では、一度感染すると次代の苗に感染していく。
ウイルスフリー苗であってもウイルスに再び感染し得る。そこでウイルスフリー苗を出荷するときのウイルス検定や、農地での定期的な苗の更新が要る。