(農業)(造園)
鑑賞用の植物を植えて配置した部分のこと。いくつかの様式に分けて説明できるが、それぞれの様式が混合したり、同時に複数の様式を兼ね備えていたりすることがある。
(固定か移動可能かによる分類)
移動花壇(*Moving Flower Bed)
プランターや鉢状のものに植えて移動できるもの。
(意匠的、形状的、配置される場所による分類)
境栽(きょうさい)花壇(Border Flower Bed)
道の脇、建物の周囲などなにかの境に線状に配植されるもの。
寄植花壇(*Group Planting Flower Bed, Massing Flower Bed)
ある範囲に特定の草花を集めて配植されるもので中央部の高さを盛り上げることが多い。公園や広場のなかに設けられたり、道路のロータリーに設けられたりする。その範囲の周囲から鑑賞されることを意図された形状である。
毛氈(もうせん)花壇(Carpet Flower Bed)
平地や斜面に花の色や種類を利用して模様が表現されたもの。草丈の低い一年草や球根類で地面が覆われていることが一般的。その中で同一色など同特徴のものが細長くなったところをリボン花壇ということがある。※毛氈はあまり使われない言葉だが獣毛を原料とした敷物用のフェルト(Felt)のこと。Feltは織り方の用語なので必ずしも敷物に使われるとは限らない。英訳はFeltではなくCarpetになっている。
沈床(ちんしょう)花壇(Sunk Garden)
花壇の位置が周囲の地盤より低くなっていて周囲から見下ろせるようになっているもの。※花壇の様式ともいえるが造園の様式という意味合いが強い。
(平面か立体かによる分類)
立体(りったい)花壇(*Solid Flower Bed, Tall Flower bed)
ポール、アーチ、フェンス、トレリス(格子垣)、パーゴラ(格子を天井状にしたもの)を使って植物を見せるものや、ロックガーデンやロッケリーといわれる、岩を使って高山をミニチュア化したような見せ方をするもの。日本の藤棚もこれに含めて考えられる。※花壇の様式ともいえるが造園の様式という意味合いが強い。
(園内か園外かという観点による分類)
コンテナガーデン(Container Garden)
店舗の装飾、街路や公共の場所(例えば駅など)の緑化に用いられる手法であり、排水口を用意した場所に、容器状のものに植栽して配置するもの。※花壇の様式ともいえるが造園の様式、もしくは緑化の様式という意味合いが強い。
*英訳Moving Flower Bed, Group Planting Flower Bed, Solid Flower Bedはここで創作(2018/11/19)