植物

鱗茎(りんけい)(Bulb, Scaly Bulb)

投稿日:2019年6月2日 更新日:

(農業)(植物)

根(ね)と異なり、茎の地下部分であるところの地下茎の、4分類のひとつ。地下茎に多肉的な葉や鱗片葉(りんぺんよう)がつき、養分を蓄えているもの。

生育に不適な季節に地下に養分を保存して、芽や地下茎を守り、栄養繁殖器官にもなる。

鱗片葉とは、魚の鱗(うろこ)の形のような葉であり、芽を保護する芽鱗(がりん)や、タマネギのように地下茎をくるむようなものをいう。鱗片葉は形状による用語であり、付き方による用語ではない。魚の鱗の付き方と、タマネギのように地下茎の全周を同心円的にくるむような付き方は違うので、誤解せぬよう注意が要る。

また、ニンニクも鱗茎に分類されるが、タマネギやスイセンのように同心円的にくるむのではなく、独立的であり、リボルバーピストルの弾倉のような付き方であり、1葉1葉も鱗の形状とは異なっている(葉というよりナッツ類の形に似ている)。

作物の例 タマネギ、ニンニク
花きの例 ヤマユリ、クロユリ、スイセン、チューリップ、ヒガンバナ、カタクリ
雑草 ヒルムシロ

なお、園芸で球根(きゅうこん)とよばれるものの多くは、球茎でなくこの鱗茎である。

-植物

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

着花習性(ちゃっかしゅうせい)(Flowering Habit)

(農業)(植物) 花の着きかたのこと。栽培のしかたや環境によって変わるものもある。 着花習性と花序という用語の違いは、着花習性は花が植物のどこに着くかをいうのに対し、花序は花の並び方をいうところにある …

no image

球茎(きゅうけい)(Corm)

(農業)(植物) 根(ね)と異なり、茎の地下部分であるところの地下茎の、4分類のひとつ。 主軸の地上茎の基部が地下ででんぷんなどの養分を蓄え、球形、卵形、楕円(だえん)体に肥大し、葉の変形による皮に包 …

no image

常緑樹(じょうりょくじゅ)(Evergreen, Evergreen Tree)

(農業)(植物) 葉を一年中つけている樹木。葉の交代が連続的に行われ、落葉期をもたない樹木。ここでの落葉期は無葉期(葉が無い期間)という意味である。 落葉樹の対義語。ただし落葉しないのではなく、1年か …

no image

両性花(りょうせいか)(Hermaphrodite Flower, Perfect [Complete] Flower)

(農業)(植物) ひとつの花に雄しべと雌しべの両方がある花。雌雄同花(しゆうどうか)ともいう。ダイズなど。⇔単性花(たんせいか)。 →雌雄異花

no image

絹糸(けんし)(Maize Silk)

(農業)(植物) トウモロコシの雌しべ(花柱(かちゅう)もしくは柱頭(ちゅうとう))が長く糸状になったものであり、トウモロコシの苞葉(ほうよう)から外に伸び、受粉する。 トウモロコシの下の実(になる部 …