(農業)(植物)
茎が短く、根から上にすぐ葉があって地表に接するようにこの葉が放射状に伸びる形態。タンポポやオオバコなど。このような葉をロゼット葉ということがある。また、茎が短く、根から上にすぐ葉があるものを根出葉(こんしゅつよう)というが、根出葉の一部にロゼット葉があると考えるべきなのだろう(一部の文献に混乱あり)。
ダイコンの葉は根出葉だが地表に放射状に伸びるわけではないのでロゼットではないとすべきなのだろう。ただし根出葉=ロゼット葉とした文献もある。
茎が短くなるしくみは、茎の生長時に節数はふえながら節間の伸長が著しく抑制されることによる。
ロゼットで越冬しその後、茎をのばす形態もある。オニノゲシ、マツヨイグサ、外来のハルジオンなど。
* Rosetteは仏語由来。仏語Les roses(ロゼ)は薔薇の意味。
なお、本項のロゼットの語源を薔薇のはなびらとした文献は多いが、タンポポのロゼット葉とバラのはなびらは違いすぎる。
Rosetteには(バラが由来であるとしても)リボンなどでつくる胸につける飾りとか、建築意匠用語として円花飾りがある。植物用語としてのRosetteは、バラのはなびらが直接の語源なのではなく、胸につける飾りか円花飾りが語源なのだろう。