(農業)(植物)
根(ね)と異なり、茎の地下部分であるところの地下茎の、4分類のひとつ。
主軸の地上茎の基部が地下ででんぷんなどの養分を蓄え、球形、卵形、楕円(だえん)体に肥大し、葉の変形による皮に包まれているもの。
地上部が枯れても生き残って越冬器官となり、翌年にはその頂端から新しい芽を出して栄養繁殖できる。塊茎(かいけい)と区別しにくいものがある。概して軸が垂直でその頂端だけから発芽するのが球茎。
鱗茎(りんけい)とも形は似ており、園芸ではともに球根とよばれるが、鱗茎は葉が多肉であるのに対し、球茎は茎が肥大している。
花き・作物と雑草に分けて説明する。
特徴 | 例 | |
花き・作物 | 地上茎の基部に形成され、形状が球形に近く、塊茎よりも芽の数が少ないため比較的表面が滑らかなもの。環状の節と節間が認められる。 | (花き)
シクラメン*、グラジオラス、クロッカス、フリージア、バビアナ *シクラメンは塊茎に分類する文献もあり。 (作物) クワイ、サトイモ |
雑草 | 数節が短縮し球状に肥厚。塊茎と比べて節芽(不定芽)の数が少なく、丸くまとまる。
アギナシなら葉腋に多数の小球茎(小球芽)を形成し、冬期に親株が枯れた後、これらは水に浮遊し、風で流されて運ばれたところで発芽する。 |
アギナシ*
とした文献があるが、アギナシの基部の写真をみると、グラジオラスのような主軸基部の肥大化と違い、側芽が貯蔵物質を蓄えた小球芽が、1株に20~30個程度つくられるとあるため、地下茎の一種に分類されるのか違和感がある。 |