(農業)(科学)
保肥性の指標。CECが大きい土壌は保肥性が高い。土壌が保持できる陽イオンの量。
(*Cationの発音はケイションではなくキャタイオン。一般にカチオンともいわれる。カチオン塗装という塗装用語にも使われている化学的な言葉。)
粘土や腐植などは、マイナスに荷電し、陽イオンを引きつける。
そのため、植物の養分となるカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、水素などの陽イオンを引きつけ保持するから、粘土や腐植などは保肥力のある肥沃な土壌の要因となる。
CECが小さい
60meq以下 |
CECが中ぐらい
60meq~200meq |
CECが大きい
200meq以上 |
カオリナイト(1:1型) 3~15
ハロイサイト(1:1型) 10~40 |
スメクタイト(2:1型) 80~150
モンモリロナイト(2:1型) 80~150 バーミキュライト(2:1型) アロフェン 30~200 |
腐植 30~280(*ただし2価のマグネシウムイオンやカルシウムイオンを保持する性質が強く、
1価のアンモニウムイオンやカリウムイオンを保持する性質は弱い。) |
※CECを基準としたとき、変異荷電に富む土壌では土壌の塩濃度やpHにより保肥性が変わる。
※CECの大きさの単位は、乾土100グラムに保持できる陽イオンの数で示され、meq/100g(ミリグラム当量・ミリエクイバレント)で表される。
※この単位meq/100gは、現在はSI基本単位とSI接頭辞により表すことになり、cmol(+)・kg−1に変わりつつある。
もしも出題で、
Q:「pH(ピーエイチ)とは、土壌の養分保持力を表し、陽イオン交換容量とよばれる。」といったらこれは○か×か。
とあれば、その答えは、
A:×(pHの読み方はこういった意味ではペーハーが正しい。よって読み方で、すでに×。また「土壌の養分保持力を表し、陽イオン交換容量とよばれる」のはpHではなく、CEC(陽イオン交換容量)なので×である。もしもこの出題文が「CEC(シーイーシー)とは、土壌の養分保持力を表し、陽イオン交換容量とよばれる。」だったら○である。)