(農業)(農作業)(農法)(植物)
植物のめしべの柱頭に、人為的に花粉を付けて受精に進めること。
人工授粉とも書かれる。人工を人為と書くこともある。
植物の人工受粉は、動物でなら人工受精に相当する。
(人工受粉のしくみ)
・自然の状態よりも、人工受粉によってめしべが受ける花粉を多くして、受精しやすくする。
・おしべの葯(やく)の中で成熟した花粉は、開葯して放出され、この成熟した花粉がめしべの柱頭に付くと発芽できる。発芽してめしべの花柱の中を伸長した花粉管が子房中の卵細胞に到達すると受精となる。
(人工受粉の目的)
・着果率を向上させる。
・品種改良のための育種を効率化させる。
・人工受粉する花を選択して結実量を調整し摘果労力を削減させる。
・温室やビニールハウスによって訪花昆虫が妨げられることを解消させる。
・訪花昆虫の減少による自然受粉の起こりにくさを解消させる。
(人工受粉を行う植物)
自家不和合性の果樹 | リンゴ、ナシ、ウメの多くの品種、スモモ、アンズの一部の品種、オウトウ、ハッサク、ヒュウガナツ |
雌雄異熟 | クルミ |
雌雄異株 | キウイフルーツ |
雌雄異花 | 柿、メロン |
花粉を持たない品種 | 桃の一部の品種 |
(人工受粉の方法)
・ピンセットで葯(やく)をつまんで、
・梵天や綿棒に花粉を付けて、
・増量剤に混ぜた花粉を散粉器で吹き付けて、
結実させたい花の柱頭に花粉を付ける。
→訪花昆虫
→雌雄異花
→剪定
もしも出題で、
Q:「メロンなどの栽培において訪花する昆虫が少ないとき、( ① )が必要となる。この( )にあてはまる言葉を答えよ。」
とあれば、その答えは、
A:①人工受粉、となる。