植物

単為結果(たんいけっか)(Parthenocarpy)

投稿日:2019年1月1日 更新日:

(農業)(植物)

受精なしで果実が生る(なる)こと。単為結実(たんいけつじつ)ともいう。またこの性質を単位結果性(たんいけっかせい)という。キュウリなど。

単為結果の果実は種無しとなる。

自動的単為結果(狭義の単為結果) 受精を必要とせずに結果すること。
多動的単為結果 受精なしで、なんらかの人為的刺激によって果実が生ること。
偽単為結果 受精ありで、胚が退化するなどして無核(種無し)果実が生ること。

バナナ、パイナップル、イチジク、柿、カンキツ類、には自動的単為結果性の強い品種がある。一部、セイヨウナシ、リンゴ、核果類にもある。近年はナス、トマトで自動的単為結果性をもつものが開発されている。

(多動的単為結果に用いられる植物ホルモンの例)

植物ホルモン 作物
ジベレリン ブドウのデラウェア
オーキシン 温室トマト

(偽単為結果の例)

カキの平核無(ひらたねなし)、ブドウのトムソン・シードレス。

*単為結果性という言葉の使用例・・・「トマトの新品種〇〇は受粉作業が不要な単為結果性を持ちます。」

-植物

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

自家不和合性(じかふわごうせい)(Self-Incompatibility)

(農業)(植物) 自家受精が妨げられる性質のこと。異なる個体との間では受精するが、ひとつの個体のなかで花粉が受粉されても正常な受精に至らない。 被子植物種の約半分が、この自家不和合性に該当するとされる …

no image

ウイルスフリー苗(ういるすふりーなえ)(Virus-Free Plants)

(農業)(植物) ウイルスに感染していない苗。 ウイルスが植物に感染すると細胞間を移り全体に広がるが、植物の芽の先端はウイルスに感染しにくい。これは成長点での細胞分裂速度がウイルスの細胞間移行速度より …

no image

雌雄異花(しゆういか)(Imperfect Flower)

(農業)(植物) 雌花(めばな、しか)と雄花(おばな、ゆうか)の別があること。 ひとつの花の中に雌しべだけあるのが雌花であり、雄しべだけあるのが雄花。 これら雌花と雄花を単性花(たんせいか)という。 …

no image

豆類(まめるい)(Food Legume, Pulse, Pulse Crops, Bean)

(農業)(植物) 野菜のうち、果実の部分を食べるものであり、果物(くだもの)でなく、果菜(かさい)でないものをいう。植物学的な分類ではない。生活上便利なので野菜を4つ(分け方は諸説あり)に分けたものの …

no image

雄穂(ゆうずい)(Staminate Ear*, Staminate Tassel*)

(農業)(植物) トウモロコシの茎の先端につき花粉を発する器官、つまり雄花(おばな)の一種。イネの穂やススキの穂と同様に鑑賞的な花でないことから雄花でなく雄穂といわれるのだろう。 ひとつの株では雌穂( …