農法

混作(こんさく)(Companion Cropping, Intercropping, Mixed Crop, Mixed Cropping)

投稿日:2019年9月22日 更新日:

(農業)(農法)

(意味)

同じ圃場に同時に2種以上の作物を、主従の別なく栽培すること。

(方法)

交互作(こうごさく)(Alternate cropping, Alternating Cropping) 2種以上の作物を畝(うね)ごとに種類を変えて栽培する方法。

ムギとレンゲソウ、トウモロコシとダイズ、サツマイモとダイズなどが一般的な例。

周囲作(*Surrounding Cropping) ダイズ、スイカなどの低い草丈の作物の周りに草丈の高いトウモロコシを栽培する方法。
混ぜ播き、混播(こんぱ)(Mixed Seeding) 2種以上の種子を混ぜ合わせて播(ま)く方法。

牧草用に、イネ科とマメ科の数種の種子を混合してまく例がある。

(理由、目的)

病害虫を防ぐ 一種類の作物による畑より、様々なものが植わっている畑のほうが病害虫にやられにくい。

土着天敵や、根のまわりの菌の種類が増えるため。

災害による危険を分散して損失を減らす 組み合わせた作物が相互に補い合って気象、天候による障害を防ぐ。
相互好作用 組み合わせによって作物どうしのアレロパシー(他感作用)がある。

いっしょに植えると生育がよくなったり、病気よけ、虫よけになったり、ナスの周囲のソルゴー障壁のように天敵を呼んだりできる例がある。

生育の仕方の違いを活用して、作物間の競合を減らしながら土壌養分や空間の効率的利用をはかることができる場合がある。

(条件によっては)多収 交互作は、匍匐(ほふく)性と直立性、浅根性と深根性、養分吸収の差などを利用し、災害による減収を防ぎ、栽培環境を改善させて単作より多収になることがある。

異なる作物が互いに好影響を成し、それぞれ単作の場合より多収となることがある。

(混作が向く場合)

少量多品目栽培の直売農家は有効で採用しやすい。

(デメリット)

複雑系の畑は機械作業がしにくい。

農薬散布が作物ごとに違うので手間がかかる。

栽培管理が煩雑となる場合がある。

(*Surrounding Croppingは2019/9/22ここでの造語。インターネットでの検索でヒットしないため英文で使うと伝わらない可能性あり)

 

もしも出題で、

Q:「2種類以上の作物を混合した状態で同時に作付けすることを混作という。」といったらこれは○か×か。

とあれば、その答えは、

A:○。

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